人として働きがいのある仕事と適正な処遇確保に向けて     ~ディーセントワークの実現~

2月7日(火)サンドーム福井管理棟小ホールで第30回地方委員会を開催。各構成組織から73名の地方委員が出席する中、議長団に運輸労連吉田地方委員、自治労宮本地方委員を選出し議事は進められ、連合福井2017春季生活闘争方針と第48回衆議院選挙の取り組みを決定しました。
【議長就任にあたりトラック運輸産業の実態に触れる
運輸労連吉田地方委員(左)と自治労宮本地方委員(右)】
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【ご挨拶をいただいた来賓の方々】 
(左から奈良越前市長、牧野鯖江市長、辻県議会議員)
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第1号議案の連合福井2017春闘方針では、賃上げ要求水準を産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から2%程度を基準とし、定期昇給相当分を含め4%程度とする。また、すべての組合で取り組む課題として、①賃金制度の確立・整備、②企業内最低賃金協定の締結、③各種手当てや福利厚生全般の改善、重点課題として④定年後の安定した生活を送るための退職金や高齢者の処遇改善、⑤総実労働時間の縮減、時間外・休日労働の割増率の引き上げを求めることとしました。重点課題の退職金や高齢者の処遇改善については連合福井独自の取り組みです。

中小共闘方針では、定期昇給制度などがない組合への対応として賃上げ要求水準を額で示し、格差解消分6,000円、賃金カーブ維持分4,500円の合計10,500円を求め、最低到達水準を連合リビングウェイジ(必要生計費)の福井県水準値を参考にして交渉にのぞむこととしました。また、地域の職種別賃金相場形成の運動を進めていくため、今春闘から業種ごとに共闘連絡会議を設置し、業種内における情報の共有化をはかり効果的に情報を発信することによって、中小のみならず、県内全体へ波及させる体制を強化することとしました。

また、方針確認後には、昨年12月末から今年1月下旬にかけて実施した退職金制度や高齢者雇用の動向調査を玉川副事務局長から報告。114組合から回答をいただいたデータをもとに講評を交え説明があり、処遇改善にむけた取り組みと各種制度を充実させる必要性が明らかとなりました。
【真剣な表情で地方委員会にのぞむ地方委員の皆さん】
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第2号議案では第48回衆議院総選挙への対応を審議し、福井県第2区候補予定者として民進党福井県連から推薦要請のあった「斉木武志」氏の推薦と、今後の進め方について確認しました。
【斉木氏から推薦決定お礼のあいさつ】
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冒頭の挨拶で山岸会長は、2017春闘について、官製春闘といわれているが、首相が経済界に要請している賃上げは、連合が従来から訴えてきている個人消費の回復・拡大による経済の好循環でありようやく認められた。賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」に向け職場にいる非正規労働者にもしっかりと目を向け労働組合として積極的に関ってほしい。また、賃上げの要求には賃金実態の把握が不可欠。年代間のゆがみをしっかりととらえ、働きがいをもてる賃上げ配分につなげてほしい。今春闘では、連合福井独自の取り組みとして、定年後の安定した生活を送るために60歳以降の処遇改善について取り組みを強化することとしている。実態調査を参考に、自分たちの将来設計について議論を深めてほしい。

長時間労働への対応について、働き方改革における長時間労働対策の論議が終盤に差し掛かっているが、時間外労働に関する1ヶ月の上限時間を過労死が認定される水準に設定しようとしているが到底認められるものではない。上限時間設定の議論には問題があるものの、時間外労働を決めるのは、職場の労使協定であり、36協定の点検、見直しを労働組合としてしっかりと果たしていく必要がある。こころ支えるネットワーク事業には多くのメンタル不調者からの相談があるが、長時間労働によるメンタル不調者を職場から出さないよう取り組みを強化してほしい。

政治情勢について、一強他弱の状況は続いているが、二大政党制の確立や政権交代に向けて、横山事務局長が立候補し挑んだ昨年参議院選挙の取り組み姿勢を、引き続き今後の選挙活動につなげてほしい。
と訴えました。
【熱意をもって春闘に取り組んでほしいと訴える山岸会長】
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議案審議では地方委員の方々から、2017春闘方針について、長時間労働対策や春闘の賃上げについて労働組合としての役割りをしっかりとアピールを。長時間労働是正に向けた生産性向上、春闘の要求作りに向けた賃金実態調査資料を増やすことや公正取引の強化など各課題に対する産別間の意識合わせが必要だ。また、第48回衆議院選挙の対応では、候補予定者に対する産業政策の浸透・理解が不可欠だ。と発言をいただきました。
【質疑応答で産別を代表して発言する地方委員】
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執行部から2017春闘について、いただいた意見を尊重し、構成組織と連携をはかり取組みを強化したい。また、第48回衆議院選挙では、産業政策の理解・浸透に向け、引き続き、候補予定者との意見交換会を実施していきたいと答弁。提案された議案は賛成多数で可決され、地方委員会アピールを採択後、山岸会長のガンバロー三唱で第30回地方委員会は締めくくられました。

2017春闘は、海外情勢が流動化し、先行きの不透明感が強くなる中ですが、誰もが安心して生活できる社会作りに向けて1997年から下がり続けている賃金の復元、産業間や地域間格差など様々な格差解消に向け取り組まなくてはなりません。連合福井は春闘の時期に合わせ業界団体や労働局への要請などを通じ加盟組合皆さんをしっかりと支援していきます。