退職金の充実と60歳以降の処遇改善に向けて

連合福井中小共闘センターは2月13日(日)「みのや泰平閣」で、2017春闘における各単組の交渉能力を高めあおうと交流学習会を開催しました。
今年は初めての試みとなる「団体交渉トレーニング」(模擬団交)を実施。仮想の企業、組合、労使関係を設定したうえで参加者を4つのグループに分け、それぞれが労働組合となって、要求書の作成・提出から団体交渉、妥結に至るまで春闘にかかわる一連の流れや交渉ポイントを産別・単組の枠を越えて学びあいました。
【交渉にのぞむ参加者と会社側を演じる山岸会長と林副会長】
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団体交渉に入る前にグループごとに分かれて組合役員を決め、賃上げ要求額やその根拠作り、付帯要求事項など要求書を作成。春闘要求は産別・単組で多様な視点や方法で作られていることから活発な議論がされました。要求書作成後、要求書提出から妥結までの模擬団交では、団交相手となる会社側の山岸専務や林部長から「要求の根拠が理解できない」「長時間労働の実態はないし、そんなことを誰が言ってるんだ」などと生々しい発言が飛びだし、組合側も負けずに「長時間労働の原因は人手不足。人がなかなか集まらない中で、魅力ある労働条件整備が必要だ」などと本番さながらの交渉となりました。

交流学習会は毎年開催していますが、2017春闘ではすべての組合で取り組む課題のひとつである「定年後の安定した生活を送るための退職金の引き上げや処遇改善」の取り組みについて重点を置いていることから、「60歳定年後の安定した生活を送るために」と題して特定社会保険労務士の勝見秀樹氏を講師に招き、年金制度や高齢者雇用給付金の仕組みと60歳以降の賃金についてモデルを活用して分かりやすく説明いただきました。
年金支給開始年齢の引き上げに伴い、高年齢者雇用安定法が整備され、多くの企業では「会社からの賃金」+「年金」+「高年齢雇用継続給付金」の3本柱で再雇用は進められてきました。しかし、年金支給が62歳からとなった今、3本柱から2本柱で生計を立てている60歳以降の方々の収入は、働き方に大幅な見直しがされないにもかかわらず、賃金は引き下げられ、給付金を得ても定年前の収入から大きく目減りしているという実態は少なくありません。定年後の安定した生活を送るため、働きがいをもって仕事を続けていくためにも処遇の改善は喫緊の課題となっています。
【60歳以降の賃金がどうなるのか「勝見講師」の話に耳を傾ける参加者】
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連合福井は加盟構成組織や組合の方々のニーズに沿った学習会や研修会を通じて、労働組合が必要とする知識の向上をはかり課題解決に携わっていきます。