ご安全に!連合福井第15回安全衛生大会

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県内3会場をネットでつないだ「安全衛生大会」※写真は「福井会場(ユニオンプラザ福井)」の様子
 全国労働安全週間の期間中となる7月3日(金)県内3会場をインターネットでつないだ、連合福井第15回安全衛生大会を加盟組合役員の労働災害防止と安全意識の向上に向けて開催しました。
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 本年は、新型コロナウイルス感染症予防のため、三密を避けソーシャルディスタンスを図るとともに、参加者数を会場定員の半数に抑え、福井会場の「ユニオンプラザ福井」をメイン会場に、丹南会場「越前市労働福祉会館」、嶺南会場「ニューサンピア敦賀」の県内3会場にインターネットを介し同時中継して行いました。参加者数は福井会場42名、丹南会場は20名、嶺南会場は28名となりました。また、大会は、座学を中心に「令和元年の福井県内の労働災害発生状況とその傾向」、「事業継続計画(BCP)の必要性とその概要」の2講演に絞り短時間開催としました。

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▲横山会長の開会あいさつ
 主催者挨拶で横山会長は、福井県内において2年連続で死亡労働災害が増加していることに触れ、本大会で危機感を共有し、事業継続計画にもとづく災害対策では、労働組合としても積極的に関り心構えを持つことが必要。3会場に分かれて行う安全衛生大会ではあるが各会場連携して活発な質疑を行ってほしいと挨拶しました。

 第1講演「令和元年の福井県内の労働災害発生状況とその傾向」を福井労働局労働基準部地方産業安全専門官の宇都宮衛氏から、第2講演「事業継続計画(BCP)の必要性とその概要について」を土蔵労働コンサルタント事務所代表取締役で特定社会保険労務士の勝見秀樹氏からご講演をいただきました。
 両講演共に重要ポイントをご説明いただき、直近の課題である新型コロナウイルス感染症にも触れながらわかりやすくご講演いただきました。また、講演ごとの質疑では、インターネット中継を通じて初めて行った方法でしたが、大きなトラブルもなく双方向性を確保しながら全ての会場から質問をいただくことができました。

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▲安全福祉委員会の米谷委員長から本日の総括と閉会あいさつ
 閉会挨拶に立った、米谷副会長・連合福井安全福祉委員長は大会で学んだポイントを振り返りながら、労働安全は当たり前の行動が大事で、組合員の命を守るためにも安全ルールを徹底させていくことが重要だと安全意識を持続させていくことの必要性を訴え閉会しました。

 毎年行っている政労使3者合同の安全パトロールは、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、安全意識を常に意識し組合員・従業員の命と健康を守る重要な取り組みである労働安全衛生は、連合福井としても広く社会に発信していく必要があります。
引き続き、気を引き締めて労働災害防止に努めていきましょう。ご安全に!

<基調講演骨子>
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【第1講演】「令和元年の福井県内の労働災害発生状況とその傾向」
 講師:福井労働局労働基準部健康安全課
  地方産業安全専門官 宇都宮 衛 氏
1.全国安全週間の概要
 スローガン
「エイジフレンドリー職場へ!みんなで改善 リスクの低減」
  期間:令和2年7月1日(水)~7日(火)
  最重要項目 熱中症対策
 新型コロナウイルス感染症の予防のため、夏場でもマスク着用を行っているが、熱中症になりやすくなるため予防策の次の5点に注意する。
 ①暑さを避ける  ②適宜マスクを外す  ③こまめな水分補給
 ④日頃の健康管理 ⑤暑さに備えた体づくり
2.令和元年の労働災害発生状況
 平成30年の労働災害発生件数1,033件のうち死亡者が10名となったことに対し、令和元年は労働災害発生件数899件のうち12名が亡くなっているという危機的な状況である。災害発生状況では○転倒、○墜落・転落、○はさまれ・巻き込まれの上位3災害が半数以上を占めている。4Sを基本に死亡労働災害ゼロに向けて事故を絶対出さないという強い気持ちで取り組んでほしい。対策として、トラック産業の「転倒」は、荷主庭先でなく、自社敷地内で発生しているため、危険個所の見える化を図るなどの改善策を、製造業などにおける「はさまれ・巻き込まれ」は機械設備を安全なものに更新する、教育だけでは不十分なものについては、機械の危険個所にカバーを付け安全装置を設置する。
3.要注意指導事項
「はしごや脚立からの墜落・転落災害防止」
 正しい使用方法は、ヘルメットを着用して「はしごや脚立」の上から2段目までを使用し、最上部の天板には乗らない。また、使用の際にはまたがない。
4.新型コロナウイルス感染症の労災認定
 業務に起因する医療従事者のみではなく、業務との関連性で判断される。

≪WEBでの質疑応答≫
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Q令和元年の死亡労働災害の発生状況の内訳で製造・繊維工業が吐出している理由は。
A繊維工場で火災が発生し、数名の死傷者がでたため。
Q労働災害発生状況で半数を占める上位3災害は毎年のことなのか。
A平成20年から上位3災害は変わっていない。
  ※上位3災害:1位「転倒」、2位「墜落・転落」、3位「はさまれ・巻き込まれ」
Q熱中症対策としての具体的な体力づくりとは。
A暑さに少しずつ慣れる必要があること。

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【第2講演】「事業継続計画(BCP)の必要性とその概要」
 講師:株式会社 土蔵労働コンサルタント事務所代表取締役
    特定社会保険労務士 勝見 秀樹 氏
1.令和元年の火災による死亡労働災害
 県内の繊維工場で発生した災害で、火災はとても怖い災害と言える。
県内では平成30年にも発生しており、火災は発生原因の特定が非常に難しい。火災発生の防止のために必要なことは、①火器と燃えるものを近づけない、②火器を使用する場合は消火器や水の入ったバケツなどを近くに置く、③逃げる準備・逃げ道を確保する。の3点に注意すること。
2.事業継続計画(BCP)の目的
 事業継続計画(BCP)は、当初は大規模な自然災害やテロ、システム障害などが発生した場合の事業継続計画と言われていたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて感染症もBCPの目的となってきている。加えて、サプライチェーンが拡大しているため、自社だけではなく取引会社にも求められることが多くなっている。自社の存続に向けて労働組合としてもBCPが作成されているかしっかりチェックする必要がある。
3.労働組合とBCP
 自然災害の影響を受け賃金カット、賞与ゼロ、整理解雇等の人事政策を安易に採らせないためには、BCP導入とその適正な運用に労働組合として口を出していくべき。

▼WEBでつないだ「丹南会場(越前市労働福祉会館)」の様子
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▼「嶺南会場(ニューサンピア敦賀)」の様子
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