【2025年度 第9回寄付講座】 今、日本の働く現場で何が起こっているのか? パネルディスカッション
【第9回】パネルディスカッション
「今、日本の働く現場で何が起こっているのか? ~海外からの労働者の受入れ~」
2025年6月11日(水)、福井県立大学「第9回連合福井寄付講座」を行いました。テーマは外国人労働者との共生に向けて「今、日本の働く現場で何が起こっているのか?~海外から労働者の受け入れ~」と題してパネルディスカッション方式で見識を深めました。パネリストには海外からの労働者と接点が多い、福井労働局、越前市、連合福井加盟単組の方々に登壇いただき、受入れ体制や雇用の現状、日本で働く場合の課題などについて学んでいただきました。
講義は県立大学今池准教授がコーディネーターとなり進められ、冒頭に、日本で働く海外からの入国者に関する背景や在留資格制度について、福井労働局の清水外国人雇用対策担当官から説明をいただき理解を深めたうえで、パネルディスカッションを行いました。パネリストには福井労働局の清水担当官、福井県内において海外に由来を持つ働く人が最も多く、行政支援が手厚い越前市市民福祉部窓口サービス課のハマザキ タカノ アドリアナ エイコ主幹、国際結婚を含め海外に由来を持つ働く人たちを組織化している電機連合ニチコン大野労組の酒井広明執行委員長の3名に登壇いただきました。
自己紹介でハマザキさんは、来日したいきさつを語り、現状の受け入れ体制が当時とは様変わりしていることや、勤めている越前市役所で受け付けている相談窓口に寄せられる困りごとについても触れていただきました。また、働いている方々は日本人同様に税金や社会保険料を支払い、労働力のみならず、日本経済の一役を担っており、一緒に日本を住みよい国にしていきたいと意気込みを語られました。
一方、移民受け入れの是非について受講生に意見を求めたところ、半数近くが「日本のルールを守らない」ことや米国のトランプ政権下における「米国の移民政策」の影響を受けて反対との意思を示したことに対し、福井労働局の清水担当官からは、日本のルールを守らない方々のほとんどは観光旅行者や不法入国者で、働くことを前提に正規に入国されている多くの方々はルールを守っており、偏った情報に関しては、きちんと調べてほしいと訴えられました。
最後の受講生への一言で、ニチコン大野労組の酒井委員長は、海外に由来を持つ方々に対するアンコンシャスバイアスが日本人の個々の中にあることを自覚し、労働力人口が減少している日本において、海外に由来を持つ働く方々とのコミュニケーションを積極的に行い、文化的な交流を含め互いを尊重し合えるような関係を育んでいってほしいとエールを送り、就職したときに学んだことを役立ててほしいと締めくくりパネルディスカッションを終了しました。
▲在留資格制度などを説明する清水担当官
▲向かって左からパネリストを務めた 福井労働局清水担当官、越前市ハマザキ主幹、ニチコン大野労組坂井執行委員長
≪受講生からの感想≫
「外国人という言い方に冷たさや差別を感じる」
「海外に由来を持つ方々と一緒に働く場合の心がけは?」
「日本人との賃金の差はあるのか」
「差別や偏見の解消方法は?」
「育成就労制度から技能実習制度への改善点は?」
「外国籍の方にも生活保護費を支給することにどう思うか」
次回第10回寄付講座は6月18日(水)福井県の取組みについて講義を予定しています。